超 自 省 録

時事、日中関係、社会問題について。会社員、オタク、二ヶ国語をしゃべるやつが、書きます。

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中国の法と社会1 ~トンデモ犯罪事情~

中国のトンデモ犯罪事情


・聶樹賓(にぇー・しふー・びん)事件

1994年 8月5日年河北省で、一件の強姦殺人事件が発生した。

警察は特別捜査班を結成し、9月23日に容疑者「聶樹賓」を逮捕し、同時に事件の終結を宣言。

(一ヶ月かぁ、中国の警察にしては解決がえらい遅い。笑)

その後石家庄市地方裁判所で一審、河北省高等裁判所の二審を経て、1995年4月に死刑を執行される。

(ナイススピード裁判!先進諸国など足元にも及ばぬわ♪)



ところが


2005年、王(わん)なる指名手配犯が河南省で逮捕され、その供述によれば、河北省で四件の婦女強姦殺人事件を起こしたことがあり、そのうち一件の被害者が、94年で聶樹賓が強姦・殺害したとされる女性である・・・

もしこれが本当だとすると、聶(にぇー)さんは冤罪だったということになるが、

聶(にぇー)さん、もう死刑で死んでるがな・・・・。

事件の問題点
1.DNA鑑定がおこなわれなかったまま、死刑判決。
強姦事件は体液が残るため、犯人の特定は容易のはずだ。

でも 
当時は、基本的に北京の特定の施設でしかDNA判定を行えなかったため、やってない、やらない、→死刑。(*)

2.死刑判決書が未だに公開されていない。
死刑執行から10年間、聶(にぇー)さんの両親が弁護士を通してたびたびの要求したにもかかわらず、死刑を宣告した判決書は公開されないままであった。理由いわく、94年当時の刑事訴訟法では、必ずしも公開する規定はないと。刑事訴訟法が96年に改正され完備すると、今度は「当該文書は上層部の閲覧中につき公開能ず」と・・・

3.さすがにTV報道され始めると、世論唖然とし、民憤つもったり。「当時の裁判官、検察を厳罰しろ!」という声も。

政府も再捜査班を結成、したが・・・・・成果なし。それどころか、再捜査班が当時の検察メンバーのままであり、事件の風化を狙っているといううわさも・・・




・佘祥林(しぉー・しぁん・りん)事件 余祥林

 同じ冤罪でも、こちらの方が注目度が高い。なぜなら被告がまだ生きていて、国家賠償を求めてるるから。

 28才の佘(しぉー)さんは、妻を殺害したとして、「故意殺人罪」で、地方裁判所にて死刑が確定。
ところが、控訴審では、高裁は、証拠不十分として差し戻した。

 何回かの行き来を経た後、地裁最終的に「故意殺人罪」で15年を提示したところ、高裁はこれを許可し、服役へ。


そして

11年後の2005年三月、死んだはずの妻が余さんの家帰ってきた。

夫に殺されたはずの妻が、帰ってきたのである・・

11年前妻は、精神的に病み、出走し、その後乞食をしながらも他省に流れ着きある男性とまた結婚したという。

佘(しぉー)さんは三日後に放免になり。法廷にて無罪を宣告される。

(この辺の速さは中国らしい。笑)

さっそく佘さんは弁護士を雇い入れ、さあ、いよいよ中国初の国家賠償か!??と各メディアが騒ぎ出した。

 (いきなり国家賠償かよ・・・とおれは個人的に思ったけど)

実は
佘さんはかなりひどい目にあっていたらしい。

・まず本人が監獄での暴力により、指、腰など多箇所に障害を負ったこと。
www.people.com.cn/GB/news/25064/3300177.html
中ほどの写真
・母親が、事件当時9ヶ月に渡る過剰の尋問に遭い、看守所を出た三ヶ月後に死亡したこと。
・娘、やむなく中学校を中退し、出稼ぎで生計を立てることに。
・兄、弟の無実を信じ、絶えず上層部に手紙、訪問し続けたせいで、41日間監禁された後、予備党籍剥奪。
・さらに出走した妻を目撃し、証人に立った村民までもが、「公正な捜査」を妨害したとして、逮捕されている。


・・・


これはひどいねー 笑 

この事件のおかしな点
1.妻のものとされた身元不明の水死体の鑑別はほとんど行われず、身長、死亡時期が符合しただけで、「妻」ということになった。*DNA鑑定なんてなかったYO。地方の警察は丁寧な犯行経過をでっち上げている

2.10日(昼夜連続、余さん談)に渡る取り調べで、供述をゲット ウマー!
3.高裁は死刑は「証拠不十分」としながらも、「故意殺人罪で15年」を通してしまった。
 あのな、さすがの中国でも法律があって、

「故意殺人罪」なら死刑だし
「証拠不十分」なら無罪になる(97年服役時点)

結局のこのどっちつかずの判決は、法律を形骸化したという批判はある。



以上の二つの事件に関して、まずこれを氷山の一角と見るか、それとも近年だけに見られる現象なのか。
結論から言うと、どちらとも言える。

まず、長い目で見る。文化大革命および市場経済以前の中国は、犯罪はそんなに多くなかった。(という印象だ。) 良くも悪くも保守的で、前発展的な社会であるが、そのなかで規範やら道徳やらがきちっと作業していた。それが改革開放以来(なんか共産党みたいな言い方だな 笑)、経済ばかり発展して法制度の整備はほぼ「なし」のまま、ひずみがどんどん蓄積されていった。きちっとした論証は難しいが、それが現われたのが今回の冤罪であろう。

 もう一方、なぜ氷山の一角と見ることができるのか。
近年に限って言えば、大多数の人がこちらの感じ方をしている。冤罪、汚職、横領、高速道路収賄・・・・政府が絡むところに黒くないところはない。というのが大部分の人民の心だ。そのなか、今回の二件ははっきりした、ゆるぎない反証「別の犯人だった;実は死んでいなかった」があったからこそまだ覆せたものの、これらの条件を満たさずに埋もれたままの事件がいくら多いか・・・・

そのうちいろいろ列挙しようと思うが、まずひとつメモ。
 実は中国で国家賠償はかつて行われたことがある。詳しい情報は失念したが、賠償額は30万元(×15で日本円になる)で、政府から「ぜったい他言はしないでね」という約束の下で、秘密裏に、やはり同様の冤罪の被害者に渡されていた。


 

つぎに冤罪を生んだのはなにかを考えてみる
根本的には、「有罪推定」というアホな原則だ。つまり、容疑者は基本的に有罪だという前提、思い込みに立って捜査をするということだ。
 古来より「誤って三千殺しても、その一人を逃すべからず」という言い方があるように、人命がワラよりも軽い国。
それに、警察という半ば脳なしな暴力集団の功利心(上からの治安を保てという命令)もあいまって、違法捜査、誤逮捕を量産しつつ、事件は往々にして驚くスピードで解決されていく。
 そして、逮捕者に対する裁判も火急的速やかに行われ、刑の執行もまた速い。笑

捕まった人が本当に有罪かどうかなんてだれも疑わない。 

 実際中国語の中でも、「容疑者」ということばはなかった。(少なくとも筆者が1996年まで暮らしていたときまでは聞かれなかった。)
 捕まった・・・といえば「犯人が」と来る。

最近になってマスコミが白々しく「犯罪嫌疑者」などということばを使い出した。

 それと、捜査、起訴過程で手続き的な正義が保たれないというのもある。

警察、検察、裁判所の癒着(癒着というかキチット役割分担してプレイしてんのじゃなくて、みんなで役人的プレイ?)のもある。

何にもまして法治の経験がない。裁判官が必ずしも法律家ではない(役人だ)


この辺はいますごい勢いで「司法改革」が唱えられいるが、とりあえず共産党はいつ汚職で革命されるかという勢いだから、実際の成果はいかなるものか。そしてそもそも独裁政党主導で公平なルール作りなどできるのか。無罪推定や、企業相手訴訟時の立証責任の転換などは実現されたようだが。**この辺についてはまた次回にでも


きちっとした法制度がない限りまっすぐな経済成長はありえない。
それでも9%成長を実現した中国はすごい。ひずみもすごい。どんどんゆがみがたまっていく。

ウォッチする必要がある。

関連リンク
中国の法と社会1 ~トンデモ犯罪事情 ~
中国の法と社会2 ~金持ちの海外逃亡は終焉の兆し~
中国の法と社会3 ~亡国の汚職 ~
  1. 2005/05/11(水) 13:48:52|
  2. 日中関係
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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コメント

TBありがとうございます

さすが「馬鹿」という言語の発祥の地中国ですね。

こんな国が安全保障理事国で拒否権を行使できるなんておかしいですよ。

早く歪みが爆発し共産主義が崩壊するか、国家分裂して欲しいものです
  1. 2005/05/17(火) 20:58:50 |
  2. URL |
  3. kurukurupackman #-
  4. [ 編集 ]

そうですねー

「馬鹿」という言葉は秦の時代に起源します。
 権臣趙高が、自分の権威が不動であることを確かめるために、二世皇帝に鹿を一匹献上して、これを指して馬だと言った。
 二世は笑って「なにを言うか、鹿ではないか」といい、では左右の大臣に訊いてみましょうということになった。
 そこであるものは趙高を恐れ、馬だと言い、ある者は正直に鹿だといい、ある者は沈黙を守った。
 以後、趙高は鹿だと言った人たちを謀殺し、権力を自分のてにした。これが馬鹿の本ネタです。



でもぼくはいろんな意味で、中国の馬鹿が治ってほしいです。共産中国の行方は・・・崩壊にしても、分裂にしても日本に多大な影響を及ぼします。すでに経済的には文字通り一衣帯水ですから・・・
  1. 2005/05/23(月) 01:03:15 |
  2. URL |
  3. 超旅行人 #-
  4. [ 編集 ]

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