超 自 省 録

時事、日中関係、社会問題について。会社員、オタク、二ヶ国語をしゃべるやつが、書きます。

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「中国と日本の経済格差」趙暁  前半

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中国経済は急速に発展していて、日本経済はこの十数年長期停滞に陥った。そのせいか、北京の経済学者のなかで、あるジョークが流行った。

 将来地球上には三人の経済学者しか必要ない。一人がアメリカ経済を良く知り、もう一人がヨーロッパ経済について詳しく、そして三人目は中国経済の専門家だ。
 日本? ははは 日本は気にしなくてもいいさ。


これは実に荒唐無稽である!

 中国は急速に台頭していて、これは事実である。しかし諸々の経済指標をみれば、中国と日本の差は依然としてかけ離れていて、多くの点で日本に追いつくためには、遥にして非常に困難な道のりを行かなければいけないことがわかる。この格差を正視することなく、わが国の熱血青年たちは、日増しに「日本など取るに足らない」という幻想に走ってしまっている。

 まず基本データー振り返ってみよう。中国の面積は960万平方キロメートル、人口は13億人。日本の面積は37.8万平方キロメートル、人口1.3億人。中国の面積は日本の25倍、人口は10倍である。版図と人口から言えば、中国は大国であり、日本は小国である。

 しかし、経済体としての両国は逆転している。2003年、世界銀行の「世界発展指標」の統計によれば、中国のGDPは116898億元、米ドルにして1.4兆ドルで、世界7位。一方日本のGDPは4.3兆ドルで、世界二位である。小さな日本は中国の三倍だ。

 もちろん米ドルへの為替変換による比較は、誤差を含むかもしれない。しかしあらためて購買力平価で計算したところで、多くの統計によれば、日中間の経済規模の差は依然として1-2倍である。
     (訳者注:これは大げさだと思って調べてみたが、実際にそうで、PPPベースでは中国は世界7位から2位に上がる。物価が安いことが原因だろう)
 中国の近年の発展速度は大変なものである。しかし戦後の最初の四半世紀で、日本は軽々と世界第二位の先進国となり、一方中国は、過去20年間の有史以来もっとも早い成長を経てなお、GDPは世界の7位程度であり、さらにほかのさまざまな経済指標を鑑みると、先進国入りを果たすは絶対に不可能のようにも思える。
 
 日本の経済の実力は国内においてのみでなく、海外にも現われている。中国は近年多くの外資を引き入れたことを誇りにしているが、一方日本は世界最大の投資国である。2000年までに、日本の海外総資産は3.2兆ドルに達し、これは2003年の中国のGDPの2.3倍に相当する。一方日本の製造業の海外における売上高は1.3兆ドルであり、これは中国のGDPに匹敵するものである。これほどなまでに巨大で、潜在的な「世界中日本」を目にすれば、改革開放20年目にして意気揚揚と声高に「海外進出」を叫ぶわが国の企業家は、赤面することだろう


 経済構造の比較。1999年時点で、日本の三つの産業の比率は、一次産業から順に2:36:62である。これはあきらかにポスト工業社会である。1975年、日本は早くも三次産業の就業人口が全就業人口の50%を超え、日本が70年代からすこしずつとサービス業を中心とするポスト工業社会に入ったことを示している。一方中国は2003年においてなお、産業構成比が14.7:53:32.3である。中国は、前工業化社会から工業化社会の移行さえ終わっていない。

 国家統計局の工業化の定義によれば、ある国の工業化実現とは、一、農業のGDPに占める割合が15%以下であること、これは中国がやっと達成したばかりである。ニ、農業就業人口が20%以下であること。
中国の農民は依然と人口の50%を占め、これはまだまだ実現が遠い。三、都市人口が60%以上であること。目下のところ中国の都市人口は40%であり、まだまだ大きな差がある。

 日本の都市化レベルはどのくらいだろうか。1950年の日本の都市人口比率は38%であり、おおむね今日の中国と同じである。しかし今日の日本では、ほとんどの人が都市に居住している。

 2003年、中国の重工業の成長率は軽工業のそれより4%高くなり、重工業投資が高潮に達したと、全国一同経済が「重工業化」の段階に入ったことを喜んだ。しかし、日本が早くも1955年の段階で高度の重工業化を実現し、資本、技術密集型経済へと移行していったことを知る人は少ない。ただ工業構造の点からみれば、中国は日本の40年前のレベルしかない!

 中国の目下の経済成長の牽引力は「世界の工場」としての役目である。しかし筆者の算出によれば、2003年の中国工業成長がGDP成長に対する貢献度は63%である。しかし製造業規模からみれば、2003年日本は9111億ドルで、中国は3823億ドルであり、日本は中国の2.4倍である。あきらかに中国は「世界の工場」の名にふさわしくなく、日本こそが世界の製造業の中心の名に恥じない。

 今までの成長速度をもってすると、世界の工場に至る道のりで、中国が日本に追いつくためには少なくとも数十年はかかる。しかも、これからの道は険しくなるばかりである。エネルギー不足、環境問題、労働問題、市場の健全性・・・・さまざまな難関が中国に立ちはだかるだろう。

 日本は一人あたりの資源がとても乏しい国だが、日本人は優秀な加工技術でこれを補うことを知っている。1955年から1975年は、日本がもっとも早く成長した時期だが、この間製造業の工業全体に占める比重が81.4%から96.0%に上昇する一方、鉱工業は10.1%から0.62%に下がった。電力、ガス、水道等の基礎産業は7.74%から3.38%まで下がった。中国も一人あたりの資源があまり豊富ではない国だが、経済成長においてはかなりの程度を資源の安売りに依存している。2000年をとってみれば、中国の資源集約型産業が工業全体に占める割合は54.5%に達し、そのうち、農産品を原料とする工業は軽工業の62.0%を占める。採掘と原料工業は重工業の50.3%に達する。

 中国も今は経済成長の「質」を重視するようになった。しかしこの点においては、日本の方がはるかに進んでいる。単に消費エネルギー石油1kgあたりのGDPを見てみれば、中国が0.7米ドルで、インドなどのほかの途上国に比べても低いのに対し、日本は10.5ドルで世界トップであり、中国の15倍に相当する。

 同じような資源とエネルギーで、日本人はなんと中国人の15倍の価値を創出している?老子を好み、「天人合一」と億人言うが、自然を大切にする点おいては、日本にはるかに及ばないだろう。

 中国は新しい発展の段階に入っている。2004年のGDPはやっと全世界の4%に達したが、石油消費量は世界第二位として君臨し、電力は13%、鉄は27%、コンクリートと石炭にいたってはそれぞれ地球の消費量の40と31%を占める。これで、世界中の人々は心配するだろう、「中国の長期成長で自分が餓死してしまうのではないか?」と。

 事実、中国は謙虚に日本に見習うべきである。日本のように資源を大切にし、効率を高める必要がある。目下国は「資源戦略」やら「エネルギー戦略」を制定するのに苦心しているが、そんなものは言ってしまえば、簡単である。日本のように、目線を国内に向け、工夫を凝らせばよい。そうすれば、中国のエネルギーと資源は、現在の消費水準を保ったままにして、経済だけを何倍にも成長させることができるだろう。


 中国の労働力は多い。これはグローバル分業のにおいては一つの大きな利点である。しかし中国は効率よく労働力を利用することができていないので、大いにこの利点を活用し損ねている。同じ高度成長期でも、1965~1975年の10年間、日本の労働生産額は平均して年率11.07%で増えていった。同様に1980年から2000年の中国は、5.19%しか増えていない。しかも米ドル換算では2.59%になる。この対比は、中国の高度成長が人海戦術に依存し、日本の高度成長が労働生産性の向上によるものであることを示している。

 人海戦術以外、中国の成長は大量の投資に依存している。しかし投資の実態はいかがだろうか。みな日本は不良債権問題を抱えているというが、高度成長から経済成長衰退へと向かう過程で、日本の銀行の不良債権率はたかだか5%にすぎない。(訳者注:最高時は15%まで行きました。)しかし中国が2000年に、四大商業銀行の不良債権率はすでに28.78%に達している。もし四大国有資産管理会社が引き受けた1.4兆元の資産も計算にいれると、不良債権率は45%にも達する。あきらかに、中国の投資の効率とリターンは猛バックすることになるだろう。

 R&D(研究開発)がGDPに占める割合、これはある国の科学技術規模および科学技術への投入を示す重要な指標で、その国の経済発展の潜在能力と持続的発展力を示すものだ。これはどうだろうか、2000年、中国のR&D支出は896億元であり、歴史上はじめてGDPの1%に達した。日本の指標は3.12%であり、これはアメリカの2.65%よりも、ドイツの2.37、イギリスの1.87よりも高く、世界首位に君臨する。

 事実、1990年以来日本のR&DがGDPに占める割合はずっと世界一であった。これはなにを意味しているのか?日本という国家が科学立国において、ゆるぎない決心を持っているということ。同時にこれは、図らずもこの国が強い秘密をも明らかにしている。つまりそれは、科学技術をモットーとし、科学技術を優先とするということだ。この指標はさらに、「小日本」は一部の中国人が想像するような、目先しか考えない浅はかな民族ではなく、その逆であり、遠慮と卓越した見識を持った民族であることを証明している。先見性を持った者だけが、大枚をはたいて自分の将来に投資をするのだ。

  これに比べると、中国では、企業にしても国にしても、さらには一般国民にいたるまで、あきれるほど功利的であり、人を失望させる。中国人は口々に「科学立国」と叫び、ネット上で日本人を罵倒してみてはストレス解消をするが、本気で科学技術をやろうとはしない。

 特許の面では、1995年、中国の特許申し込み数は全世界の1.45%で、許可数は0.48%しかなかった。一方日本の特許申し込み数と許可数は13.48%と15.3%である.韓国産業銀行が先日発表した調査結果によると、特許において韓国を100とすると、中国は76であり、日本は110.5である。

 中国人はまたある数字を忘れては成らない:日本人のノーベル賞受賞者は12人に達したのに、中国人はいまだ0人である。ある偉い人が「中国はますます人類に多くの貢献をしなくては」と言ったが、まさに言う易しである。

 中国企業のイノベーションシステムはまだ完備しておらず、初歩段階にある。大、中企業が研究開発に支出する額は売上の1%に満たない。一方日本企業はとっくに技術イノベーションシステムを完備し、企業の研究開発費は一般5~10%以上である。
 
 中国企業の研究開発人材は稀少で、しかもどんどん外資に流出している。労働者一万人あたりの研究員の数においても、日本は世界トップの109.3人で(2000年)、アメリカの73.8人、フランスの60.3人、ドイツの59.6人そしてイギリスの54.8人よりも多い。

 中国企業は、世界トップ500社に入ることを悲願とする。しかし日本は1994年の時にすでに、トップ500社をアメリカと分け合い、かつ1,2,3,4位を独占している。トップ10社のうち、大半が日本企業である。90年代以来、世界中が「日本の衰退」を言いつづけてきた。しかし今日なお、日本企業が世界トップ500社に占める席は88であり、中国はたったの12である。しかもその12社の多くが独占型国有企業であり、そのトップが69位の中国石油である。


 想像してみてください。いったいいつになったら中国企業が、Forbes世界500強の中で最多席を占めることができるのだろうか?いつになったら中国企業が、その一位から四位を独占できるのか?その日はいつか来るかもしれません。しかし、我々の隣人日本が、早くも90年代にそれをやってのけたのであり、これはすべての分別のある中国人が、すべての世界を目指す企業家が、一寸の敬意を示すべき業績ではないか?

 後編に続く 

 本文は本サイト著者による翻訳であり、原文はhttp://www.mlcool.com/html/ns002478.htm
  1. 2005/05/21(土) 23:38:22|
  2. 日中関係
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:2
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コメント

TBどーも

中国の経済学者の論説なのかな?

ノーベル賞受賞者の指摘などはちょいと
日本を持ち上げ過ぎな感もするけれど、
中国の経済成長が資源投入の急速な増加
によるものであり、効率性について疑問
を投げかけている点はクルーグマンにも
通じる。概ねまっとうな意見だと思う。

結局のところ、ちょっと前までは日本も
「いずれアメリカを追い越す」みたいに
言われていたが、今後はかつてのような
高度経済成長なんて見込めるはずもない。

中国も高い経済成長は数年続くだろうが
別に永続的に続くワケではない。
その時その時の「最大瞬間時速」で中国
が勝ったとか日本が負けたとか一喜一憂
してるのは無意味って事だと思う。

ところで、そちらは随分マジメな学生の
ようですな?しかも2カ国語しゃべれる
なんて素晴らしい。
中国は日本の仮想敵国ではなくて経済的
パートナーだと俺は考えている。
いがみあっても仕方がない。
その意味で将来は日中の架け橋としての
そちらの将来も有望なのでは?

ご活躍を祈りつつ。
  1. 2005/05/24(火) 04:58:36 |
  2. URL |
  3. ペトロ三木 #-
  4. [ 編集 ]

えー

大層なお言葉恐縮です。「まじめ」と誉められるとはまったく思いませんでした。ありがとうございます☆
 
 お察しのとおり、原文作者は中国の経済学者です。調べましたところ趙 暁さんは、北京大卒、経済学博士、現在は政府機関でマクロ戦略を担当している人のようです。

 JAPAN AS NO.1の著者がノーベル賞受賞学者ですか!知りませんでした。中国の高度成長も日本同様頭打ちを迎えるというご意見には賛成です。 ぼくはマクロ経済はぜんぜんへぼいので、大それたことは言えませんが、さまざまな制約条件のせいで中国は、アメリカはおろか日本を追い抜くことも難しいと直感的に感じます。
 ただ中国経済いつ頭打ちをするのか、その頭打ちをするときのレベルが果たしてどれくらいなのか、というのが世間の関心の的ではないかと思います。

 その辺については自論を考えて、そのうち書きたいと思います。本文の後編も今週中に書きます。ご期待ください。
  1. 2005/05/24(火) 20:57:56 |
  2. URL |
  3. 超旅行人 #-
  4. [ 編集 ]

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