超 自 省 録

時事、日中関係、社会問題について。会社員、オタク、二ヶ国語をしゃべるやつが、書きます。

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「中国と日本の経済格差」趙暁  後半

「中国と日本の経済格差」趙暁 前半よりつづき

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 国全体の経済がいくら良くても、庶民の生活が改善されなければ意味はない。日中の国民の生活レベルを考えてみよう。

 2003年、中国の一人あたりのGDPははじめて1000ドルを超え、1080ドル程にとなった。一方日本の33077ドルで、中国の31倍である。一人あたりのGDPだけを見れば、中国は日本の1966年のレベルでしかない。

 エンゲル係数(家計の消費支出に占める食費の割合)は、生活水準を反映する指標である。2002年日本のエンゲル係数は22.3%であり、中国は都市部で37.1%、農村部で45.6%である。これはつまり、中国人の支出は主に食べることに費やされ、日本人は支出を食べること以外の他の面に使っていることを意味する。中国は生存のための消費、日本は発展のための消費である。

 しかし、もっとも悲しむべきは、生活が日本の60年代レベルしかなく、消費支出が食べることに費やされる中国人が、感覚的に自分が豊かであると勘違いしがちであることだ。これによって、節度のない行動をしようとする人がいる(たとえば、オリンピックを盛大にやろうと力説する人がいる)。しかし、生活水準が世界最高レベルの日本は逆に、国際的な場で台所事情の悪さをいつも強調し、節約を怠らず、往々にして驚くほど「けち」である。

 どっちが賢くて、どっちがばかなのだろうか?

住宅:2003年中国の都市人口の平均一人あたりの居住面積は18平米であり、日本は25平米である。国土の極めて狭い日本が、中国の1.4倍の住宅面積を実現している。

 国民の生活は所得のみならず、所得格差も見なければいけない。2000年、中国のジニ係数は0.414であり、すでに国際的に見て警戒が必要なレベルまでになった。中国は、世界でもっとも所得格差が大きい国の一つに数えられている。これと逆に、多くの人の想像と異なるところではあるが、日本は資本主義国家にして、世界で所得の分配がもっとも公平な国の一つだ。日本のジニ係数は0.285であり、これは中国の歴史上のどの時代と比べても遜色ない数字だ。

 失業率:国内労働社会保障部の公表によれば、2003年6月まで、全国の都市登記失業率は4.2%であり、失業者数は795万人であるで、昨年末よりそれぞれ0.2%と25万人増加している。 しかしこの数字はあまりにも漏れが大きすぎる。学者たちの推定によると、目下の中国の都市失業率は、下崗職員やその他の失業も含めれば8%から10%程度である。(王夢大圭 2003)

 中国のメディアではこのごろ、よく日本の近年の経済不振と、失業率の高さを報じていて、まるで日本人がもう生きていけなさそうな雰囲気だが、実際日本の失業率は一番高いときでもせいぜい5.5%である。2003年、経済が回復するにつれて、平均失業率はすぐに5.3%におちついた。

 教育:中国人は元来より教育を最重視する国民であると自任していて、「いくら(生活が)苦しくてもこどもに苦を味わわせてはならず、いくら貧しくても教育を貧しくさせてはいけない」と言いつづけてきた。中国の親は確かに子供に対してすべてを惜しまない。しかし、国の教育予算の乏しさから、基本教育制度に欠陥があり、今日の中国の成人識字率は81.5%;成人識字率は81.5%、文盲や半文盲は人口の15%を占める;大学入学率は5%、教育の現代化の玄関口である30%まではあと25%の開きもある。

 これに比べては、日本は教育重視の誉れに恥じない。日本は早くも小、中学校教育において100%を実現し、大学入学率は40.3%であり、大学教育を受けた人が人口に占める割合は48%である。成人識字率は100%に近い。

 日中両国の教育はどれほどの差があるのか。推定によれば、中国の初等教育は日本の1900年代のレベルしかなく、約100年遅れている。中等教育は日本の1910年代に相当し、高等教育は日本の1920年代に相当する。

 重要の原因の一つは、教育予算が日本の1920年レベルしかないことだ。

 庶民の啓蒙と密接に関係している、情報化の度合いを見てみよう。

2003年末まで、中国のインターネット人口は8000万人に達し、一つの巨大な「E国」が誕生した、しかし国全体のネット普及率は低く、6.2%しかない。
 日本の人口は中国よりはるかに少なく、しかしインターネットを利用人口は7730万人に達し、普及率は60%以上になっている。ほとんどすべての14から75歳の日本人が、ネットにアクセスできるということになる。
  
 このほか、日本のインフラはより高度に敷設され、ブロードバンドの通信費用はやすく、速度も速い。ブロードバンドインターネット費用が家計の収入に占める割合は0.8%であり、世界一の低さである。対して中国のインフラ発達は遅く、サービスは悪く、ブロードバンド接続は始まったばかりである。全国のトップを走る深土川の住宅においてさえ、ブロードバンド普及率は30%であり、全国一般的に地方での普及度は相当低い。


  中国のパーソナル・コンピューターの普及率は27%であり、移動電話の普及率は30%である。日本はそれぞれ36%、69%であり、差は明らかだ。


 或る人曰く、日本はせいぜい経済と科学技術において強く、物質大国である。日本文明は、たいして誇れるものがない。

 文明は大きなテーマであり、筆者はここで敢えて比較したりするつもりはない。しかし、我々が非常に関心を置くいくつか社会的指標を通して、その一部を窺い知ることができよう。

 皆知ってのとおり、社会的信用と国民素質という点からみて、日本人は一般的にまじめに働き、効率を重視し、時間を守り、信用を守り、礼儀を重んずると言われている。日本企業もまた信用を重んじ、製品の質のよさをもって世界に名を轟かせる。;日本の街では、ごみを目にすることができない。人がひしめく地下鉄にしろ、デパートにしろ、地面はピカピカで、地下鉄の壁に落書きは見られない。

 日本人はめったに公共の場所でたばこを吸ったり、飲食したりしない。ポイ捨てや、痰を吐くのはさらにいうまでもない。日本人は交通ルールを守り、東京、大阪の繁華街にしろ、古都京都にしろ、街では交通整備する警官は見られず、車や人は信号の指示に従って、一糸乱れぬ動きをする。

  ひるがえって、「文明大国」の我国の目下の状況はいかがか?

  もし、中国人の物質的豊かさが足りないというのなら、「衣食満ち足りて礼節を知る」というのなら、中国人は「環境要因」のせいにしすぎるであろう。では、あえて尋ねよう。中国人の今日の収入は、日本の1960年代に相当するのに、どうして文明礼節は遠く及ばないのか?
 盛唐時の「風雅儒愛」もなくなり、中国人は本当に「衣食満ち足りて礼節を知る」のか?


  企業信用:中国の各銀行の不良債権率が、世界に比類なきレベルにまで達したことは、前述した。これは中国企業信用が大変悪いということを述べている。これ以外、支払いの遅延も他国に例を見ないほどある。統計によれば、2001年、我国の企業間の支払いの遅延額は1.6兆元に達し、偽の経済規模を1270億元作り出している。国はこのせいで、毎年250億元ほどの税収を失っている。

 また、関係部門の調査によれば、2001年全国で283社の優良企業の650あまりの製品が、コピー製品の憂き目に遭っている。1~6月期で全国工商管理系統は、各種の契約詐欺等の犯罪5338件を処理していて、これは前年同期にくらべて61%上昇している。これはどういうことなのか?

 中国の企業どうしの騙し合い、陥れあいがこの国の市場経済を重度に腐食しているということだ。

 近年、また新たな現象が生じている。企業が出稼ぎ労働者の賃金支払いを不払い、遅延させる現象がますます酷くなっている。全国労働組合の公表によれば、目下のところ、出稼ぎ労働者の未払い賃金は1000億元に達している。そのうち建築業が占める割合は70%以上である。
 斡旋業者が労働者に賃金を払わない、というのはデベロッパーが斡旋業者に支払いをしないからで、さらにこれは、なんと地方政府がデベロッパーに支払いをしないからであった。国家統計局によれば、全国の賃金未払いの総額のうち、なんと四分の一以上が政府の未払いによるものである。

 中国の若き市場経済は、信用の欠如によって高い授業料を払わされている。中国の学者はやっと分かったらしい。信用の問題の解決には、外からは法の規制、内からは企業管理構造で対応するのは不十分で、やはり人々の心に根付く文化、乃至は信仰といっていいだろうかーーに頼らなければいけないということを。しかし、中国の伝統文化資源は、ほとんど破壊し尽くされている。新たに文化資源を作るというのなら、中国人はどこから手をつけてよいのやら、分からない。それに比べて日本は、伝統文化資源をもってして現代に適応させた成功例である。日本人はなんと、侍が主人対する忠誠を、従業員の企業に対する忠誠に変えたのであり、牽いては全社会的な信用を打ち立てたのである。

 離婚率:2001年、「ポスト現代化」段階にある日本の離婚率は0.23%であり、これはアジア最低である。(訳者注:平成13年度国民生活白書によると、日本の離婚率は2%である)しかし伝統的に一貫して家庭を重要視する中国では、日々状況が酷くなっている:1980年の離婚率は4.75%であり、1997年では13%に上昇している。その中でも、上海は過去20年間において離婚率が20倍に激増している。世界の人々は目を丸くするだろう:中国人はいったいどうしてしまったのか?

 家庭は社会を構成する細胞である。婚姻は男性と女性の神聖な関係を含む。日増しに安定が失われてゆく中国の家庭は、我々に何をもたらすのだろうか?ますます責任感や信用に欠ける社会なのか、それともさらに多くの私利私欲の追求か、はたまたさらなる心の自由と個性の解放なのか。(訳者註:原文では心の自×と表記されていて、自動検閲された模様。)

 腐敗:日本を嫌うのはご自由にすれば良いが、一つ認めなければいけない事実がある。日本は世界で比較的に(政治)腐敗の少ない国の一つだ。今年3月25日、 著名な国際組織である国際情報公開(Transparency International)の報告Global Corruption Report 2004によれば、133の国家と地域のうちで、中国の腐敗度指数(Corruption Perception Index)は3.4で、スリランカとシリアと並んで世界66位である。一方日本は、世界でもっともクリーンな30国の中に入っている。

 中国はいまGDPへの追求から「科学的発展」へとシフトしつつある。しかし、我々はすでに多すぎる代価を払ってしまった。2000年末まで、我国の森林面積はたったの15.8億ヘクタールに減り、森林面積は国土のたった16.55%しかなく、これは世界平均水準の6割程度にしか相当しない。一人あたりの森林面積は0.128ヘクタールで、世界平均0.6ヘクタールの2割にしかしない。これにたいして、日本の森林面積はその国土の64%であり、世界でもっとも森林割合が高い国の一つである。

 青々とした森、美しい自然、詩作の意が涌くような環境は、もはやない。李白と杜甫を生んだ国は、いまや国人の手によって悪夢と化した。日増しに工業汚染されていく大地、3分の1以上砂漠化された国土は虫の息。流れ絶え絶えの黄河、黄河になりゆく揚子江、そして春に北京を吹き荒れる黄砂・・・・まるで中華の母なる大地がため息のようであり、天と地と間に鳴り響く警鐘のようである。中国は、もはや破壊に堪えられない、これ以上負担には堪えられないのだ。

 大地とともに枯れていったのは、中国人の心である。砂漠よりもっと荒れているのも中国人の心である。

 日本人がいかにして、高度成長を遂げながら国土と環境を保ったか、如何にしてGDPにその目をくらまされずに済んだか、如何にして中国人より半世紀も早く「科学的発展」を達成することができたのか。我々は自らの尊大さを、ひとまず傍におき、真面目に研究、見習ってみるべきではなかろうか。

 中国人の平均寿命は比較的に長い。2000年の統計では、男女の平均寿命はそれぞれ69.63歳と73.33歳である。中国人のイメージでは、日本は世界で一番仕事がきつい国であり、日本人はハードワーキングである。しかし、日本が世界でも最も長寿な国であるとはよもや想像がつくまい。2003年、日本の男性の平均寿命は78.33歳、女性は85.33歳である。これはともに世界記録でもある。日本の男女の平均寿命は四年連続して世界一位であった。女性の平均寿命は1985年から一位であった。
 中国人は常々「人を第一とする」と言ってきたが、あきらかに、日本人の方が長生だ。
 日本はいかなる国なのか。多くの人から見れば、野蛮な国に見えるらしい。あやまることを知らない国、生活プレッシャーが極めて大きい国、国民が不幸せな国、ひいては理性をもって諭すことのできない国・・・・しかし、一つまた一つの統計の数値を見れば、我々は気が付くだろう。日本は、経済が発達し、民衆が富み、社会は公平で、官吏は横暴なく、優れた教育を持ち、家庭は安定していて、自然環境が保たれ、平均寿命の高い国だ。日本人は、先見性に富み、と同時に世界に大きく貢献している。中国が今の日本の水準になるには、多くの面であと数十年の努力が必要であり、他の面では100年以上の努力が必要になるかもしれない。

 日本は決して見くびれるやつではない。決して我々の「幻覚」のなかで日増しに衰えていく国ではない。日本は多くの面で群を抜き、我々中国人の勉強と参考に値する国だ。同時に、中国も我々が幻覚するように、迅速に台頭しこの偉大なる隣国を超えようとしている国ではない。中国は、やっと体力を回復したばかりで、ゆかなければいけない遥かなる道のりを持ち、多くの面で人一倍努力しなければいけない国である。

 一部の愛国青年の目から見れば、日本人と伍することは恥に見えるかもしれない。ましてや日本人に勉強するなんていうまでもなく、日本人はただの復讐相手である。しかし、そうだったとしても、是非忘れてならないことが一つある。それは「自分の敵へのもっとも効果的な復讐は、敵よりいい生活を送ることだ。」。一生懸命相手の邪魔をする子ではない。

 よい良い生活を送るためには、愛国心やスローガンだけではたりない。もっとも必要なのは、汗水をたらす勤勉さと、真の知恵と、行動である。

本文は本サイト著者による翻訳であり、原文はhttp://www.mlcool.com/html/ns002478.htm

原文作者 趙 暁、北京大経済学博士、現在は政府機関でマクロ戦略を担当する。

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  1. 2005/06/14(火) 22:54:51|
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コメント

TBありがとう

TBありがとう
学業とアルバイト頑張って下さい。お馬鹿なおとーさんたちも日中友好の為身体を張って生きています。我々は中国語の勉強したのがレーニンの白毛女などの教科書を使ってた世代あなた方がこれからの日中を背負っていくのでしょうね。
  1. 2005/06/16(木) 12:32:09 |
  2. URL |
  3. china-neversleepcity #-
  4. [ 編集 ]

いやあ

郁のブログからとんできました。
いやあ、びっくしたあ、
なんかすごく論じてるなあと腰ぬかしたよ。
と、思ったら翻訳だったよ。
でも翻訳と感じさせないからすごいね。
  1. 2005/06/17(金) 01:39:08 |
  2. URL |
  3. はなこ #-
  4. [ 編集 ]

自分でもこのくらいは書きたいけどね 笑

でも時間がない。というかほかに使うことはいっぱいあるという言い訳は有効だ。
  1. 2005/06/17(金) 02:13:34 |
  2. URL |
  3. 超旅行人 #-
  4. [ 編集 ]

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中国 ~核保有国の昇竜~

目まぐるしい中国経済の発展に注目すると忘れがちなのが彼らの軍事体制です。宇宙開発事業のみならず中国の
  1. 2005/06/16(木) 19:42:04 |
  2. ニュースの裏's
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